植物をモチーフにしたデザインにみる普遍的な魅力

Image Plate from Owen Jones' 1853 classic, "The Grammar of Ornament".
by EricGjerde

植物の美しさに魅せられた人は多い。葉や茎や根のカタチ、細胞の形状に至るまで、建築や服飾デザインにも多く取り入れられてきた。

今から160年以上前に植物を取り入れたデザインパターンを収録した本が出版されている。この『装飾の文法』(1853)をつくったのは、1851年のロンドン万博の装飾を手がけた建築家であり、装飾デザイナーでもあったオーウェン・ジョーンズ。19世紀最大のデザイン理論家の一人とも称される人物である。
The Grammar of Ornament
The Grammar of Ornament / Le ciel azuré

『装飾の文法』の特徴は、原住民族や古代エジプト様式、ムーア様式などオリエンタルなパターンが多く収録されている点だ。さらに植物をモチーフにした装飾も含まれ全20章で構成されている。

これらのパターンは、ギリシアやローマといった古典と西洋的なパターンが主だった時代において特異な存在だったに違いない。だが、今見ても新鮮な印象を受ける装飾パターンが数多く収められている。

Image from page 158 of
Image from page 158 of “Handbook of ornament; a grammar of art, industrial and architectural designing in all its branches, for practical as well as theoretical use” (1900) / Internet Archive Book Images

Image from page 176 of
Image from page 176 of “Handbook of ornament; a grammar of art, industrial and architectural designing in all its branches, for practical as well as theoretical use” (1900) / Internet Archive Book Images

Image from page 206 of
Image from page 206 of “Handbook of ornament; a grammar of art, industrial and architectural designing in all its branches, for practical as well as theoretical use” (1900) / Internet Archive Book Images

The Grammar of Ornament: Plate XLII+
The Grammar of Ornament: Plate XLII+ / MCAD Library

The Grammar of Ornament: Plate LIII
The Grammar of Ornament: Plate LIII / MCAD Library

The Grammar of Ornament: Pl. VIII
The Grammar of Ornament: Pl. VIII / MCAD Library

もともとエジプトやイスラムなど植物をモチーフにしたデザインは古くから人々を魅了していたのだろう。曼荼羅を連想させる図柄もある。アジア的な側面もあるのではないか。

ただ、不思議なのは160年前も今も同じパターンに魅力を感じていることだ。この時代を超えた普遍性とは何か?もしかしたら植物や自然の造形を取り入れることで、有機的なイメージを保つことに成功しているのかもしれない。見るたびに発見がある。飽きがこない。植物には、そんな視覚的効果があるのかもしれない。オーウェン・ジョーンズが創り出したパターンを見れば見るほど、その元となった植物に対しても奥深さを感じずにはいられない。

きむらゆうきち

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