日本の農業には90万人が必要?!本当にこの数字で大丈夫?

people i know by Zuerichs Strassen

これからの日本の農業を考えさせられる発表があった。だが、違和感を感じずにはいられない。この数字は、いったい、この数字はどこから出てきたのか、実現可能なのか、人口という観点から日本の未来の農業像を考えてみたい。

 農林水産省は1月28日の企画部会にわが国の将来の農業就業者の必要数などを示した。

 農水省によると野菜・果樹・畜産など土地利用型作物以外の基幹的農業従事者と雇用者は約60万人いるという。このうち主業農家は約50万人(野菜27万人、果樹等18万人、畜産9万人)で雇用者(常雇い)は約10万人(野菜4万人、果樹等3万人、畜産4万人)となっている。農水省は今後とも現在と同水準の生産を維持していくには「同程度の人数が必要」としている。
一方、土地利用型作物の作付け面積(平成22年)は367万ha。このうち担い手の生産する面積が8割を占める構造を達成したときには、1人10ha程度を耕作できるとして、これを前提に試算すると約30万人(300万ha÷10ha=30万)となる。この試算から基幹的農業者と雇用者(60代以下)は約90万人必要だとした。
現在の傾向が続くと平成37年には60代以下は87万人と90万人を下回り、その後は80万人程度に減少してしまう見通しだ。ただし、40代以下の増加数が2倍になると仮定して試算すると60代以下は平成37年101万人、47年109万人、57年124万人と将来にわたって確保することが可能となると試算された。
そのため20歳前後で就農し70歳前後まで約45年間基幹的農業者として営農を続けるとすると平均して年間約2万人の青年層が新規就農し農業を継続する必要がある(90万人÷45(年))。
現在は新規就農者の定着は年間約1万人。年間最大150万円最長5年給付の青年就農給付金も活用されている。ただ、企画部会では「1万5000人ほどが就農するが5000人が定着しない。その理由を分析すべき」との指摘が出たほか、「就農10年目の営農形態や収入など、農業者のキャリアパスを新規就農者に示すことも必要では」などの意見が出た。

基幹的農業者90万人確保 農水省

2020年から日本の総人口は減っていきます。

このサイトでは何でも言っていることだが、2020年から日本の人口は減っていく。少子高齢化が更にすすむ。まずはこのことを大前提としなくてはいけない。

(2)少子高齢化・人口減少社会

我が国の人口については、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」における出生中位(死亡中位)推計を基に見てみると、総人口は、2030年(平成42年)の1億1,662万人を経て、2048年(平成60年)には1億人を割って9,913万人となり、2060年(平成72年)には8,674万人になるものと見込まれている。

総務省:第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋

本当に90万人必要なのか?

冒頭の文面の中で気になる部分がいくつかある。

まず、試算に関して今後とも現在と同じ水準の生産を維持していくことが前提とされている。今でも米が余っている状況なのに、生産維持をするということは輸出など国内消費意外を考えなくてはいけない。この前提は正しいだろうか?

 ・農水省は今後とも現在と同水準の生産を維持していくには「同程度の人数が必要」としている。

次に40歳以下の増加率に関して設定が安易すぎるように感じる。日本の総人口が減少して、少子高齢化がすすむのに40代以下の増加数が2倍になるとは考えにくい。2060年(平成72年)には8,674万人になるのだ。そのような状況で、農業従事者が増えていくわけがない。

40代以下の増加数が2倍になると仮定して試算すると60代以下は平成37年101万人、47年109万人、57年124万人と将来にわたって確保することが可能となると試算された。

未来の農業は、どうなるのか?

正直言って、農水省の示した基幹的農業従事者90万人は机上の空論と言うしかない。総人口が減っているのに、若者が安定的に確保できる保証はどこにもない。農地を基準にして従事者数を算出しているのも現実とかけ離れているように感じる。

私が考える日本の未来の農業は3パターンだ。直感レベルで申し訳ないが、これから人口が減っていくことを考えると更に人員がかからないスタイルになっていくはずだ。

①企業主導 大規模集約型:少人数・機械化・効率化がすすむ

②植物工場:①よりも更に少人数か・オートメーションなど効率化がすすむ

③個人農家(家族経営):小規模・付加価値が高い商品を提供する

何度も繰り返すが、2020年から日本の総人口は減っていく。この未来は既に分かっている。農業だけに関わらず、逆らえない状況を前提として、どのように振舞うかが、これからを生き抜くために求められるはずだ。

きむらゆうきち

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