荒廃農地面積データをみる。再生が困難な農地を活かす方法はないか?

29.11.14 Delamere Forest - Blakemere Moss 26 by donald judge

昨年末に農水省が遊休農地に関する調査データを公開した。

平成25年の荒廃農地の面積について(平成26年12月26日)

平成 25 年の荒廃農地面積については、全国で約 27.3 万 ha(推計値)となりました。
このうち、「再生利用が可能な荒廃農地」は約 13.8 万 ha(農用地区域では 7.8 万 ha)、
「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」は約 13.5 万 ha(同 5.1 万 ha)となりました。

平成25年の荒廃農地の面積について(平成26年12月26日)

資料の中で“再生利用が困難と見込まれる荒廃農地”という区分が気になった。

「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」とは、「森林の様相を呈しているな
ど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難なもの、又は周囲の状
況から見て、その土地を農地として復元しても継続して利用することができな
いと見込まれるものに相当する荒廃農地」

平成25年の荒廃農地の面積について(平成26年12月26日)

再生利用が困難と見込まれる荒廃農地だけを見てみると全国的に増えている。昨年(平成24年)が12.5万ha、平成25年は13.5万haと、1年間で1000haの農地が再生利用が困難になってしまている。

 
再生利用できない農地が増えている。
荒廃農地が増えるのには、いくつが理由が考えらる。
・農業者が高齢化している。
・大規模化・効率化が進んで、効率的に生産できない農地が見放されている。

農業改革、地方創成で、荒廃農地を減らせるのか?
このような状況を政治が見逃しているわけではない。現政権が掲げている農業改革や地方創成で遊休農地を活用しようという動きがあるのは確かだ。たとえば、農地集約バンクでは遊休農地を集約して農業法人に貸し出す役割を担っている。耕作放棄地対策も行われているようだ。

耕作放棄地対策について(平成24年4月)

ただ、再利用が見込めない荒廃農地に関しての扱いはどうだろう。このような土地は生産効率が低くなるうえに、農地として再生するのにも余分に労力がかかる。効率的に農業生産を行うならば、最近まで使っていた農地や田畑がまとまっている地域を選ぶはずだ。わざわざ再利用が困難な農地を選ばなくとも、農業従事者の高齢化が進んでいるので今までは一等地だった田畑でさえ空いてくる可能性があるのだ。

 

再生が困難な農地を活かせないか?

効率的な営農が求められれば、再利用されやすい農地が積極的に利用され、再利用が困難と見込まれる農地は見放される可能性が高い。なにか再利用が困難と見込まれる農地を活かす方法はないのだろうか。

農地を“還す”
再利用が困難と見込まれる農地を山林や森に戻すのはどうか。定義にもある通り、“森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難”だとすれば、田畑に戻すよりも山林に戻したほうが低コストかつ有意義なのではないか。

農地を管理している農地法では農地転用ができる。手続きが複雑かもしれないが、農地を山林などに戻すのは登記上できそうだ。また、農地として登記されていない場所で耕作をしていて、農地として使わなくなった場合なら元の登記名目に戻るそうだ。

農地転用に関して http://www6.ocn.ne.jp/~gyousei/page021.html

このように農地を山林に戻すのが可能だとすれば、もっと積極的に森に還す動きができないだろうか?農地として荒らしておくよりも植林などを施して生態系が豊かになるようになれば、10年後、20年後には立派な森になるかもしれない。

最後に再生利用が困難と見込まれる荒廃農地は今後どうなるのだろうか?農業の大規模化・効率化が進めば進むほど、再生利用が困難と見込まれる農地が見放される可能性が増えるのではないだろうか。

放置されるくらいなら森に還したほうがいい。このような運動が何を意味するか、どのような利益を生むかに関わらず、役目を終えた土地を人間が手をいれる前の状態に戻すのも、荒廃農地問題に直面した我々がやるべきことの一つなのではないかと考える。

きむらゆうきち

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